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充たされるもの3

「気に入ってくれたみたいね」

1週間後、ユミコはまた同じ店を訪れていた。

「はい…」



ユミコは店の位置をほとんど覚えておらず、ネットで調べてもめぼしい情報はない。

1週間しか経っていないとはいえ、探し回った末にたどり着いた。

探すときにはいつもあのスカートをはいていた。

初めは恥ずかしかったはずが、いつのまにかこの女性に見てもらいたいと切実に思うようになった。

「ゆっくり見ていってね」

「…」

微笑む女性にユミコはコクリとうなずいた。



周りを取り囲むギャル風の服は以前にも増して魅力的で、何度も手に取って見入ってしまう。

やがて、そのうちの一着を手に取り、思わず顔をうずめてしまう。

「かわいいわねえ」

「あっ!ご、ごめんなさい!」

慌てて謝るユミコと対照的に、店員の女性は落ち着いた様子で応じる。

「ほらほら、さっそく着てみて。素敵な姿を私に見せて」

「……。はい」

促されるまま、紫色のワンピースを身にまとう。

1週間前に女性が着ていたものだ。


「どう?」

「すごい…。私じゃないみたい…」

生まれ変わったような自分に見とれてしまう。

胸元は大胆に開かれ、背中もほとんどまるだしになっているが、ユミコにはもう問題ではなかった。

「ちょっとこっちに来て」

「…」

女性に手を引かれるまま、店の奥に入っていく。

女性はユミコに化粧を施し、もう一度鏡を見させた。

「とっても素敵でしょう」

「はい…」

ポツリとつぶやくユミコの目は虚ろになっていた。

しかし、頬はピンク色に染まり、夢心地に浸っているとはっきりわかる。

「あの…。私もっと…。それに…お姉さんみたいに」

女性のほうを遠慮がちに見る。

「フフッ。本当にかわいいわね。私がもっと素敵にしてあげるわよ」

ユミコの頬にゆっくりと触れる。

「あ…」

ユミコはさらに頬を染める。

「私の色に染めてあげる」

「はい…。お姉さま…」

「フフ…」

恍惚に浸る少女を抱いて、女性は満足げにほほ笑んだ。

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